翡翠(ひすい、ヒスイ)(Jade、Jadeite、Nephrite) 和名:翡翠 モース硬度:6.5-7 誕生石の意味:長寿、健康、徳、よき知らせ
●5月の誕生石翡翠(ひすい、ヒスイ)の色・特徴
5月の誕生石翡翠(ひすい、ヒスイ)と呼ばれる宝石には、ジェダイト(硬玉、Jadeite)とネフライト(軟玉、Nephrite)の2種類があります。また、英語では、軟玉、硬玉、碧玉等の総称としてジェイド(Jade)を使っています。
両者はまったく別の鉱物ですが、見た目で区別がつきにくいことからどちらも「翡翠」と呼ばれています。
○ネフライト(軟玉)
ネフライト(軟玉)はほとんどのものが黒色の内包物を持っています。ジェダイト(硬玉)に比べて美しさが劣ると考えられ、産地が比較的多いこともあって、価値はやや低く見られています。
中国以外では価値が低いとされていますが、白く透明感のある最上質のものは羊脂玉と呼ばれ、中国では硬玉よりも価値が高いと言われています。
SUPER STONES
○ジェダイト(硬玉)
5月の誕生石翡翠(ひすい、ヒスイ)と呼ばれる鉱物の中でも希少価値の高いジェダイト(硬玉)は、色の幅が広く、緑、薄紫(ラベンダー)、白、ピンク、褐色、赤、青、黒、オレンジ、半透明、黄色などがあります。
化学的に純粋な翡翠(ひすい、ヒスイ)の結晶は無色ですが、石に含まれる不純物や他の輝石の色のため、様々な色が表れます。
特に人気の高い緑色の翡翠は、クロムや二価鉄によって発色したものです。
日本と東南アジアでは好まれる色が異なり、日本では濃い緑のものが価値が高く、逆に東南アジアでは色の薄いものが好まれています。
透明度が高く、エメラルドのように美しい緑色(エメラルドグリーン)のジェダイトは翡翠の中で最上質とされています。「ろうかん」と呼ばれ、世界的に人気がある誕生石です。
緑の次に人気の高い「ラベンダー翡翠」は、チタンや鉄によって発色したものです。
黄色、オレンジなどの翡翠は、粒の間にある酸化鉄の影響で、黒いものは炭質物が原因です。
●5月の誕生石翡翠(ひすい、ヒスイ)のお話
5月の誕生石翡翠(ひすい、ヒスイ)は、いろいろな民族が魔法の石としてあがめてきた宝石です。
特に中国では玉(ぎょく)と呼ばれて珍重され、2000年以上も腕輪などの装飾品(アクセサリー)や器、精細な彫刻をほどこした置物や武器など加工されて利用されました。西太后が熱狂的な収集家であったことでも知られています。
中国で古い時代より愛された誕生石である翡翠(ひすい、ヒスイ)は、すべてネフライト(軟玉)だと言われています。18世紀(清の時代)以降、ミャンマーから硬玉が輸入されるようになり、鮮やかな緑色をした翡翠が好まれるようになりました。
ジェダイト(硬玉)は細かい繊維状のものを織り交ぜたものと産出する事が多く、非常に壊れにくいことから、先史時代には石器武器の材料にもされました。ヨーロッパでは翡翠で作られた石斧が出土しています。
5月の誕生石翡翠(ひすい、ヒスイ)であるジェダイト(硬玉)は日本での歴史も古く、縄文時代より勾玉として使用されてきました。権力の象徴として、高貴な身分の人しか身につけられなかった誕生石です。
日本でも、新潟県の糸魚川市姫川流域や北陸の海岸、富山県の翡翠海岸などから産出します。
●5月の誕生石翡翠(ひすい、ヒスイ)の意味・効果
5月の誕生石翡翠(ひすい、ヒスイ)は、古来より洋の東西を問わず、強力な護符や魔除けとして使われてきた宝石です。呪いや悪霊、鬱病、不運がやってくるのを阻み、泥棒から家を守るとも言われています。
友情や愛情を増幅するパワーがあり、友人や愛する人に贈れば、絆が深くなります。
中国では、「仁・義・礼・智・勇」の五つの徳を高めるとされ、精神的に成長し、人徳を高める手助けをしてくれる誕生石として知られています。
商人が翡翠をお守りとして右手に握り、商談をしていたという話もあり、ビジネスを成功させるお守りとされていました。冷静さを養い、心を落ち着かせるためにも使われていたようです。
ヒーリング効果も強い翡翠(ひすい、ヒスイ)は、疾患を癒す「薬石」とみなされていました。
古代ギリシャでは目や臓器の病気の治療や、解毒のためにも使われており、患部に翡翠をあてると、病魔が退散し、痛みや熱が取払われると信じられて珍重されていました。
●5月の誕生石翡翠(ひすい、ヒスイ)産地
ジェダイト(硬玉):ミャンマー、ロシア、日本など
ネフライト(軟玉):中国、ニュージーランド、カナダ、アメリカなど