誕生石とは、生まれた月に結びつけられた宝石のことです。
現在広く知られている月別の誕生石は、1912年にアメリカの宝飾業界団体が定めた一覧を基礎としています。
その後、それぞれの国や地域の文化、宝石の流通、業界団体の改訂などによって、異なる石が加えられてきました。
そのため、世界のすべての国で共通する、唯一の誕生石一覧があるわけではありません。
同じ国の中でも、時代、団体、宝石店、伝統によって、紹介される石が異なる場合があります。
日本では1958年に、アメリカの一覧を参考にしながら、サンゴとヒスイを含む誕生石が定められました。
さらに2021年12月20日、日本の誕生石が改訂され、新たに10種類の宝石が加えられました。
下の表では、日本、アメリカ、イギリスの宝飾業界団体などが紹介している、代表的な誕生石を比較しています。
イギリスの欄は、伝統的な誕生石と、別の選択肢として紹介されている代替の誕生石を併記しています。
| 月 |
日本 |
アメリカ |
イギリス |
| 1月 |
ガーネット |
ガーネット |
ガーネット
代替:ローズクォーツ |
| 2月 |
アメシスト
クリソベリル・キャッツ・アイ |
アメシスト |
アメシスト
代替:アンバー |
| 3月 |
アクアマリン
サンゴ
ブラッドストーン
アイオライト |
アクアマリン |
アクアマリン
代替:ジェイド |
| 4月 |
ダイヤモンド
モルガナイト |
ダイヤモンド |
ダイヤモンド
代替:ロッククリスタル |
| 5月 |
エメラルド
ジェイダイト(ヒスイ) |
エメラルド |
エメラルド
代替:クリソプレーズ |
| 6月 |
真珠
ムーンストーン
アレキサンドライト |
真珠
ムーンストーン
アレキサンドライト |
真珠
代替:ムーンストーン |
| 7月 |
ルビー
スフェーン |
ルビー |
ルビー
代替:カーネリアン |
| 8月 |
ペリドット
サードオニックス
スピネル |
ペリドット
スピネル |
ペリドット
代替:スピネル |
| 9月 |
サファイア
クンツァイト |
サファイア |
ブルーサファイア
代替:ラピスラズリ |
| 10月 |
オパール
トルマリン |
オパール
トルマリン |
オパール
代替:ピンクトルマリン |
| 11月 |
トパーズ
シトリン |
シトリン
トパーズ |
トパーズ
代替:シトリン |
| 12月 |
トルコ石
ラピスラズリ
タンザナイト
ジルコン |
トルコ石
タンザナイト
ブルージルコン |
タンザナイト
代替:ブルートパーズ |
●誕生石の一覧を見る時の注意
誕生石は、鉱物学上の分類や法律によって世界共通に決められたものではありません。
国や地域の習慣、宝飾業界団体、歴史的な一覧などによって、紹介される石が異なります。
特に古い書籍やウェブサイトでは、現在の一覧に含まれていない石が紹介されていたり、改訂前の一覧が掲載されていたりすることがあります。
また、「伝統的な誕生石」「現代の誕生石」「代替の誕生石」「星座石」は、それぞれ異なる考え方に基づくものです。
月ごとの誕生石と、星座に結びつけられた宝石が混在して紹介される場合もあります。
どれか一つだけが正しく、ほかが誤りというものではありません。
生まれた月の代表的な石だけでなく、色、意味、歴史、石との出会いなどを参考に、自分に合う誕生石を選ぶことができます。
誕生石の起源については、ひとつの説だけで明確に決まっているわけではありません。
現在の誕生石につながる考え方のひとつとして、旧約聖書の「出エジプト記」に記された、イスラエルの祭司長が身につける胸当てがあります。
胸当てには12種類の宝石が、3個ずつ4列に並べられ、それぞれにイスラエルの12部族の名が刻まれていたとされています。
新約聖書の「ヨハネの黙示録」には、聖都エルサレムの城壁の12の土台が、それぞれ異なる宝石で飾られているという記述があります。
ただし、古代に使われた宝石名と現在の鉱物名は、必ずしも一致しません。
翻訳された時代や地域によって、同じ宝石名が異なる石を指している場合もあります。
12種類の宝石は、12部族、12使徒、12星座、1年の12ヶ月などと結びつけて考えられるようになりました。
宝石と星座や月を関連づける習慣は、古代から中世にかけて少しずつ形づくられたと考えられています。
一時期には、生まれ月の石を一つだけ持つのではなく、月ごとに異なる宝石を身につける習慣もありました。
18世紀頃には、生まれた月に対応するひとつの宝石を身につける考え方が、ヨーロッパで広まったとされています。
ただし、その成立時期や広まり方には複数の説があり、特定の国や宝石商だけが考案したと断定することはできません。
現在の月別誕生石の基礎となった一覧は、1912年にアメリカの宝飾業界団体によって統一されました。
その後、宝石の流通や人気の変化に合わせて、新しい石が追加されるなどの改訂が行われています。
日本では1958年に誕生石が定められ、サンゴとヒスイが日本で親しまれてきた宝石として加えられました。
2021年12月20日には、日本の誕生石が63年ぶりに改訂され、次の10種類が新たに加えられました。
- 2月:クリソベリル・キャッツ・アイ
- 3月:ブラッドストーン、アイオライト
- 4月:モルガナイト
- 6月:アレキサンドライト
- 7月:スフェーン
- 8月:スピネル
- 9月:クンツァイト
- 12月:タンザナイト、ジルコン
この改訂によって、日本の文化や宝石との関わりを大切にしながら、現代の宝石市場でも親しまれている石を、より幅広く選べるようになりました。
誕生石は、科学的な効能を表す制度ではなく、歴史、文化、贈り物の習慣などから生まれたものです。
自分や大切な人の生まれ月を表す石として、色や意味、石にまつわる物語を楽しむとよいでしょう。
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